国のデジタル化・AI導入補助金は有名ですが、愛知県の中小企業には、県独自の「中小企業デジタル化・DX促進補助金」というもう一つの選択肢があります。国の制度より柔軟で、知られていない分だけ狙い目です。
※ 2026年6月時点の公開情報に基づく解説です。2026年度の公募は2026年3月6日〜5月12日で締切済みです。次年度の公募時期・要件は変わるため、申請前に必ず公式サイト (dx-hojo.aibsc.jp)でご確認ください。
この補助金の何が「使いやすい」のか
- 補助率: 中小企業1/2、小規模企業2/3 — 国のデジタル化・AI導入補助金と同水準
- コンサルティング費用も対象になり得る — 国の制度はツール導入費が中心。県の制度は専門家への依頼費や既存システムの改修費もカバーし得る設計で、オーダーメイドのAI実装と相性がいい
- ベンダーの事業者登録が不要 — 国のデジタル化・AI導入補助金は登録ベンダーのツールしか対象になりませんが、県の制度は自社申請型。開発パートナーを自由に選べます
- 競争相手が県内に限られる — 全国区の国の補助金より、採択の競争環境が穏やか
- 申請要件: 「あいち産業DX推進コンソーシアム」への加入が必要 — 国の制度にはないこの要件が盲点。コンソーシアムへの加入自体は無料で可能なため、早めに確認・手続きを済ませておくことが重要です
製造業での使いどころ
愛知県の中小製造業 (Tier2・Tier3の部品メーカー、樹脂・金属加工、治具・金型) で相性のいい使い方はこのあたりです。
| テーマ | 内容例 |
|---|---|
| 見積もりのAI化 | 過去見積もり検索 + AI下書きで当日回答体制に (詳細記事) |
| 検査記録・日報のデジタル化 | 紙の検査表をスマホ撮影→AI自動集計に置き換え |
| 在庫管理の自動化 | Excel在庫の転記作業をAI記帳に (詳細記事) |
| 技能継承のナレッジ化 | 熟練工インタビューをAIで検索可能な社内ナレッジに (詳細記事) |
申請の流れ (概要)
- 1. 公募開始を確認 (例年、年度初め〜夏に公募。県のサイトで告知)
- 2. 事業計画書の作成 — 現状の課題を数字で、導入後の効果を試算で書く
- 3. 見積書の取得 — 依頼先からの見積もりを添付
- 4. 申請 → 採択 → 交付決定後に契約・発注 (フライング発注は対象外)
- 5. 実施 → 実績報告 → 補助金入金
注意点は国の補助金と同じで、交付決定前に契約・発注したものは1円も出ません。スケジュールは逆算で組んでください。
採択される計画書の書き方のコツ
審査側が見たいのは「デジタル化したい」という意欲ではなく、投資対効果の根拠です。製造業なら次の構成が書きやすく、伝わります。
- 現状: 「検査記録の転記に月20時間、入力ミスによる手戻りが月◯件」
- 手段: 「スマホ撮影→AI読み取り→自動集計の仕組みを導入」
- 効果: 「転記時間ゼロ、年間◯◯万円の人件費相当を削減、検査データの即日共有で顧客対応も改善」
数字の精度は完璧でなくて構いません。「1ヶ月測ってみた実数」が一番強い根拠になります。
国の補助金との使い分け
パッケージ型のITツールを入れるなら国のデジタル化・AI導入補助金、オーダーメイドの実装やコンサル込みの伴走支援なら県の本制度、設備投資と一体の大型案件ならものづくり補助金 — というのが大まかな使い分けです。迷ったら両方の公募要領を見比べる前に、まず「自社が何をやりたいか」を1業務に絞るのが先です。
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